プロフィール その7

大学のキリスト教の授業で最も印象に残っているのは、神父様が紹介して下さったある絵本の話です。


シェル シルヴァスタイン 作

本田 錦一郎 訳

『おおきな木』

です。

(こちらの本は現在絶版で、新しいものは村上春樹さんが訳されているそうですが、まだ読んだことはありません。)


大変有名な絵本ですが、簡単にあらすじを紹介します。

大好きなちびっこが来るたびに、持っているものを与え続けていくリンゴの木の話です。

実も枝も幹も全て与えてしまい、最後には切り株だけになってしまいます。

切り株の自分さえ、老人になったちびっこに差し出して、腰掛けてもらいます。

「木はそれでうれしかった・・・だけどそれはほんとかな。」という最後の一文で締め括られます。


神父様は、授業でこの本を使い、神様の無償の愛見返りを求めずに与えて与えて与え尽くす愛について投げかけられていた様に思います。

本の解釈は人によって様々ですが、私は神父様の解釈に大変感銘を受けました。


私自身、誰かのために何かをしてあげた時や、物をプレゼントした時、必ず「私もお返しが欲しいなー」と思ってしまいます。

でも、見返りを求めずに与え尽くすという発想は今までありませんでした。

この言葉を知ってから20年以上経ちますが、いまだにこの姿勢で実践していくのは大変難しいと感じます。

ただ、この言葉を知った以上は、今の自分にでも出来ることを少しずつしていきたいと思う毎日です。