プロフィール その3
私は、父の転勤により、中学3年生で人生初の転校をしました。
生まれてから中学2年生まで育った場所は、畑や田んぼに囲まれた田舎で、同級生達は皆素朴で心穏やかな人が多く、楽しく過ごすことができました。
ところが、転校した先は、学校の廊下をバイクで走るようなヤンチャな生徒の多い学校でした。
転校初日に、階段の上からバケツの水をかけられるという洗礼を受けました。
一番前の席になったのですが、一番後ろの席横一列を占めていたヤンチャな生徒達が、自分達の気に入らない先生が教室に入ってきて教壇に立った瞬間、給食の残りのパック牛乳を黒板に向かっていくつも投げました。
その牛乳の跳ね返りが何度も私の顔にかかりました。
転校3日で、登校拒否(今で言う不登校)したい気持ちになりました。
しかし、学校に行くのは当たり前という厳格な父に説得され、何の楽しみもなく、無気力状態で通い続けました。
転校1カ月後、友達がいない状態で修学旅行に行きました。
とにかく、つらい毎日でした。
そんな時、母が、校外に知り合いができれば私も楽しく過ごせるのではと考え、個人経営の学習塾を見つけてきてくれました。
はじめてその塾に行った時、ある男の子に「〇〇ちゃんじゃない?」と聞かれました。
よく見ると、H先生の日曜学校に頻繁に通っていたA君でした。
A君はこの塾の先生と知り合いで、住んでいる町からはかなり離れた場所でしたが、週に2回ほど通っているとのことでした。
A君のおかげで、私はH先生と再会できるようになりました。
久しぶりにお会いしたH先生は、開口一番「つらかったねー。まさか〇〇ちゃんがそんな大変な状況になっていたなんて…。」とおっしゃって下さいました。
その優しい声を聞いた途端、私の目から滝のような涙があふれ出ました。
その再会がきっかけで、私は15歳から30歳で結婚するまで、ずっとH先生に人生の悩みを聞き続けていただくことになりました。
良い恩師に会えた私は、本当に幸せでした。